絶対等級

詩は日記で日記は詩

大洪水時代

大洪水時代の鳥は 止まり木のない世界で 休む間もなく飛ぶことを 強いられて 大洪水時代の鳥は 沈んでいく仲間たちを 振り返ることもなく 飛び続けた 泣いて 鳴いて 風を切る翼は あとどれくらいもつだろう 荒々しい時代を飛び続けた苦しみの先に 見合う何か…

無題

らんらん 歩くよ 少女は ひとり るんるん 歩くよ 鼻歌交じり りんりん 歩くよ 仔猫もともに たんたん 走るよ ひとりといっぴき 雨が降っても気にしない 夜になってもこわくない そばにあるたったひとつの ぬくもりで

だいすきだよ

「だいすきだよ」 つぶやけば 返ってくる言葉があるの 通り過ぎた笑顔 もしかして全部偽りだったらどうしよう 君がくれた心の欠片を集めても完成しない 足りないのは支えてくれるものではなく 支えられるもの 「自分自身」 生きてる意味は何かなんて 誰もが…

蜃気楼

砂漠で彷徨い見つけたオアシスは たいていが幻影なのと同じように 僕が求めたものぜんぶ 触れられそうなところで消えていく 人は信じられないなんて言いながら 未だ出逢わぬ誰かに 期待してしまったりする 共鳴しない音なんて耳障りなだけ 言葉にならない痛…

My name is…

時間はもうずっと前から 私を 上から見下ろすように 私が泣いても笑っても 変わらず すがし顔で通り過ぎていった 街行く人の反対側に影を落とし歩く その笑顔の奥では 何を思い生きていた こんな自分がこの人ゴミの中に 混ざっている理由がわからない 「あと…

遮光カーテン

いつだったか 誰かが言った 人はみんなひとりなんだって それなら僕がこの部屋でひとりでいることに 何の問題もないよな いつからかな 起きるのが憂うつで 君がくれた時計も見なくなって 思ったんだよ この部屋からひとりいなくなっても 何の変化も起きない…

そういうひとに

「@yubicodrawからログアウトしますか?」 の文字。 「はい」 をクリックして、さようなら。 人生もこれくらいの手軽さでログアウトできたらよかった。 この世は私たちが思っているよりも ずっとずっと残酷で、おぞましい。 知ろうともしなかっただろう。 知…

弱い人

贖罪だ そう思わなければ優しくなれない人もいる 贖罪だ そう思わなければ自分の中の暴力性を抑えられない人もいる 贖罪だ そう思わなければだいじなものさえだいじにできない人がいる 贖罪だ そう思わなければ。それ以外に方法がない人もいる 贖罪だ そう思…

いつまで

満月の日に

「愛してる」の通知ひとつで涙があふれる 八方美人のパラドクス みんなも同じことしてたでしょ もっと若いうちピアスあければよかったかな 過食が続いてる お月さま 予祝しとくね ワタシたちの輝かしい未来 引き寄せの法則 引き寄せちゃって 自責に溺れれば …

Your Title

小さな世界に生きる君は その大きな瞳に何を映してるの 星に怯え 月に怯え 夜空から目を逸らしうつむく僕の前に 君が現れて 冷たい風に凍えて冷え切ってしまった こんな体に それでも君はすり寄ってきてくれた 君も寂しいの? 誰かを待ってるの? 狭いようで…

怒りの花

動物の側になってみたらいいよ。なんて言ってもきっと無意味だね。動物の側になることなんて絶対ないもんね。あなたのきらいな政治家も先生も先輩も上司もいじめっ子もマジョリティもあなたの側になることなんてないってきっと同じこと思ってる。 ゴミのポイ…

ユートピアの台本

人とどう関わっていったらいいかわからない。 会話用の台本がほしい。 ユートピアに最短で辿り着ける台本がほしい。 告白すると、私は絵を描くよりも 歌ったり朗読することの方が好きで うまいヘタは、置いておいて 長時間続けていられるのは 圧倒的に声を使…

つなぐ理由

あの頃のわたしを 生につなぎとめていたのは 大きな夢とか やりたいこととかじゃなくて 来週見たいテレビがあるからとか そんな些細なことでした 好きな曲を流して 涙を流して そんな散歩道 夕方の虫の 煩わしささえ 尊くて ああこんな瞬間のために 生まれて…

愛しいひと

お慕いしております。 そんな表現が 嘯くことなく とんとんと 似合う人 貴方がこの世に居るしあわせよ

いつかの詩

マントとスカート 裏表のヒラリズム 隙間から肌色 傷痕のチラリズム サングラスに隠した目つきも シュシュで隠した本音も 神様 あなたなら 見ててくれるでしょう

絶対等級~6等級の呼び声~

生活感あふれるスーパーなんかで 自分の意志に関係なく流れてくる音楽 その歌詞とメロディに また心を焦がしてしまう 今だからこそ 君も同じように聴いていたりするの それともただのガラクタですか ガラクタだったらまだいいな 焦がした思い出の残留が 灰に…

しましまと青

うつしよの話をしよう 僕と君はもっと うつしよの話をしよう 「生きるのムリでした」って 油性マジックで書かれた窓枠見るたびに 死ぬのをがまんするのが苦しかった日々を 思い出したりします 命を守ることが先決だからねって 向かえられた閉鎖病棟 鉄格子が…

わたしは境界線

わたしは境界線でした 何にもなれない わたしは境界線でした どこにもいけない わたしは境界線でした 大好きなひとほど傷つけてしまう わたしは境界線でした 星になってしまったアカウントを思う 星になってしまった言葉たちを思う 夜明け前の空が一番暗いっ…

あんぱんみたいなわたしみたいなあんぱんが主張するわたしについてをあなたに伝える

ひと口かじられて 「腐ってる」 って判断されたあんぱん 「まるでおまえみたいだろ」 ってゴミ箱から見上げてきたから 今日はもうがんばらないって決めた なつかしい刃物の感触すべらせちゃおっかな なんて考えたりもする日々に何を贈ろう 自分を大切にしな…