絶対等級

詩は日記で日記は詩

しましまと青

うつしよの話をしよう

僕と君はもっと

うつしよの話をしよう

 

「生きるのムリでした」って

油性マジックで書かれた窓枠見るたびに

死ぬのをがまんするのが苦しかった日々を

思い出したりします

 

命を守ることが先決だからねって

向かえられた閉鎖病棟

鉄格子がかけられた窓から見える

しましまの青空がなんだか切なくて

かわいかった

 

そこで出会った人たちは

深い話はできなくても

普通がないって前提があったから

なんとなく安心した

 

マスクにアロマを垂らすことを

教えてくれたあの子は今

買い物を自分でコントロールできるように

なっただろうか

 

人の声が耳をひっかく相部屋に

居られなくなって

ついに廊下にうずくまってた早朝

大丈夫?って声をかけてくれた

あの人は今

どうしてるだろうか

 

自分の感じてる苦しみが

ほんとなのかどうかわからなくなって

この痛みってほんとなのかな

ほんとに感じてるものなのかな

助けを求めてもいいものなのかなって

傷を確かめるように

手首に走らせた刃の冷たさ

 

その冷たさにつられるように

冷えた血の温度が

自分の冷たさを思い知らされたようで

なんだか機械になったようで

哀しくても安心した日

 

それでもやっぱり生きてたわたし

有感のわたし

 

鉄格子のしましまみたいになって

バイト中の飾った笑顔の邪魔をした

左腕はもう以前のようにはうずかない

 

もう傷を肉眼で見えるように

具現化しなくても大丈夫になった

わたしは今

しま模様ひとつない空を見上げています