絶対等級

詩は日記で日記は詩

2021-08-01から1ヶ月間の記事一覧

大洪水時代

大洪水時代の鳥は 止まり木のない世界で 休む間もなく飛ぶことを 強いられて 大洪水時代の鳥は 沈んでいく仲間たちを 振り返ることもなく 飛び続けた 泣いて 鳴いて 風を切る翼は あとどれくらいもつだろう 荒々しい時代を飛び続けた苦しみの先に 見合う何か…

無題

らんらん 歩くよ 少女は ひとり るんるん 歩くよ 鼻歌交じり りんりん 歩くよ 仔猫もともに たんたん 走るよ ひとりといっぴき 雨が降っても気にしない 夜になってもこわくない そばにあるたったひとつの ぬくもりで

だいすきだよ

「だいすきだよ」 つぶやけば 返ってくる言葉があるの 通り過ぎた笑顔 もしかして全部偽りだったらどうしよう 君がくれた心の欠片を集めても完成しない 足りないのは支えてくれるものではなく 支えられるもの 「自分自身」 生きてる意味は何かなんて 誰もが…

蜃気楼

砂漠で彷徨い見つけたオアシスは たいていが幻影なのと同じように 僕が求めたものぜんぶ 触れられそうなところで消えていく 人は信じられないなんて言いながら 未だ出逢わぬ誰かに 期待してしまったりする 共鳴しない音なんて耳障りなだけ 言葉にならない痛…