絶対等級

詩は日記で日記は詩

私を天使にしないで

魂を黒く塗りつぶすような行為はやめよう。

塗りつぶすのはキャンバスだけでいい。

 

 

だけど私は天使じゃない。

 

 

誰かの生きづらさが誰かの生きづらさを呼んで

自分に還ってくる。

他人のことや動物のことを考えている余裕なんてない、と

考えるいとますら奪い合っている世で

これは人類の壮大な自傷なんだと感じたりする。

 

そうすると

 

「切っちゃダメだよ」と言われることが

とてもつらかった頃の自分を思い出して

 

もう、誰もかれも何もかもに

どんな言葉をかけたらいいのかわからなくなる 。

 

 

 

誰かにたったひとつの甘いエピソード語っただけで

全てが順風満帆みたいに捉える解釈も

明るくふるまう子のふるまいだけを見て全てが明るいと見なす視線も

嘆かわしいことを素直に嘆いただけで

その人の人生のすべてを不幸と見なす視線もきらいだ。

 

私やあの子の、幸も不幸も勝手に決めつけないで。

 

憎み疲れて信じ疲れて

かといってニヒリズムにもなれなくて

ネガティブにもポジティブにも振り切れない。

ニュートラルを保つのもどこか苦しい。

どこにもいけないどこにもいけないどこにもいけないどこにも

 

 

私は天使じゃない。

 

死ねなくて生き延びて地を這って彷徨っているただの人間だ。

血の通った、ただの人間だ。

 

 

 

ただ、人間なりに

 

今までがこうだったからとか

みんなそうしてるからとか

歴史とか進化の過程がどうだったからとか

 

そんなに前例が大事なら

前例を壊したという前例になりたかった。

 

 君やあなたがそうであったように。

たとえささやかでも。

 

 

 

水底の炎を消せない。

 

「傷つけられたからって傷つけていいわけじゃない」の怒りだけはなんとか持って

 

だけど私だって天使じゃないからまちがうし

理不尽な感情も抱くよ。

 

 

自分が支えたいと思える障害者だけ支える

みたいな社会に嫌気が差すのと似てるのかもしれない。

 

自分にとって都合のいい人だけ支えたい欲を満たすために誰かの天使化をしないで。

 

 

こんな口の悪い理不尽な天使がいてもいいなら天使のままでもいいかもしれないけど。

 

綺麗にはなれないかもしれない。

でも、綺麗になりたいとは思ってる。

もしもあなたの思う綺麗とは違っていても。

 

そんな平凡な

ただの人間で

 

かっこいい剣とか持てなかったから

かろうじてペンを持っただけなんだよ。